西海金光列車に乗って到着したグンサン(群山)は、西海岸の錦江と万頃江の河口が合流する沃溝半島と古群山群島の63の島々からなる全羅北道の港湾都市だ。
全羅北道群山市の飛鷹港から船に乗って1時間ほど行くと、天恵の秘境を誇る古群山群島に到着する。


全羅北道群山市の飛鷹港から仙遊島へ向かう途中で目にする古群山群島の島々
古群山群島は、仙遊島や新侍島、巫女島、壮子島など16の有人島と、横鏡島や小横鏡島など47の無人島からなっている。「山が群れをなしている」として「群山」という名称がつけられた。高麗時代に設置された水軍陣営は「群山陣」と呼ばれ、朝鮮王朝4代王・世宗の時代に現在の群山市に移された。やがて、群山の前に「古」がつけられ、「古群山」と呼ばれるようになった。
古群山群島の中央に位置する「仙遊島」は、山水画のような秀麗な景色で知られている。人口は500人以上、面積は2.13キロ平方メートルで、「神仙がぶらぶらと歩き回っていた島」として「仙遊島」と名づけられた。

2つの岩山からなる「望主峰」(上)と、きれいな砂浜がハートの形をした「鳴沙十里海水浴場」(下)
高さ152メートルの2つの岩山からなる「望主峰」と、その麓に広がる透明できれいな砂花がハートの形をした「鳴沙十里海水浴場」が仙遊島最高の絶景を描いている。流罪で仙遊島に送られたある学者が、望主峰に登って漢陽(現在のソウル)を望みながら王を思慕したとして「望主峰」と呼ばれるようになったという説話がある。
1123年に宋の使者として高麗を訪れた徐兢が記録した『宣和奉使高麗図経』には、「海沿いにある群山亭の後方に二つの峰が並んでそびえ、絶壁をなしている」と望主峰が描写されている。
古群山列島に立ち寄った船乗りたちが航海の安全を祈願した全羅北道群山市仙遊島の五龍廟
望主峰の麓には仙遊島沿岸を航海していた船乗りたちが航海の安全と豊漁を祈願した「五龍廟」がある。五匹の龍が一緒に暮らしているとしてこう名づけられた「五龍廟」も、徐兢の『宣和奉使高麗図経』に登場する。徐兢は、「群山島の日峯山に五龍廟があり、船乗りたちは立壁に五神像を描き、龍王を供養した」と綴った。
壮子橋から望む壮子島
また、近隣の島々をつなぐ2本の橋がある。壮小島と巫女島に渡れる壮小橋と仙遊橋の上から見下ろす海と島の風景は見逃せない。自転車に乗って橋を渡るカップルや家族連れなどの姿が多く見られる。
群山沿岸旅客ターミナルから仙遊島行きの旅客船を利用すれば仙遊島に行ける。旅客船は、一日1回、午後1時(2月時点)に運航されるが、ピーク時や季節によって増便されたり、時間が変更されたりする。
記事:コリアネット ソン・ジエ記者
写真:コリアネット ウィ・テックァン記者
jiae5853@korea.kr
取材協力:KORAIL、群山市観光振興課

仙遊島で味わえる新鮮な刺身やヘムルタン(海鮮鍋)などの海の幸